EverQuest IIが先月15才になりました。これはMMORPGがアップデートとコンテンツのリリースを継続しながらアクティブに活動するには何年もかかることを意味しています。EverQuest IIが発売されてから他にも数え切れないほどの開発元とMMORPGゲームが登場しては衰退していきました。EverQuestのブランド力とDaybreak Games(元SOE)開発チームの忍耐力は本当に注目に値します。

結局、どんなゲームでもいわゆる「寿命」という状態に追いやられ、少数の開発スタッフだけが衰退していくゲームをプレイし続けてくれるプレイヤーを支える保守状態に移行することになりますが、そうではなく ―― 今でもDaybreakの主力製品であり、EQ2と並んで兄にあたるオリジナルのEverQuestも今年で20才です。World of Warcraft、Final Fantasy XIVのような純粋な課金モデルの代わりに2011年に基本プレイ無料(F2P)に切り替えたことが功を奏して、まだ順調に進化しているようです。

さて、先週、筆者はDaybreak本社でEverQuest IIの開発者数名と雑談しながら、「ブラッド・オブ・ラクリン(BoL)」と呼ばれる新しい拡張パックのストーリーについて取材させていただく機会がありました。この記事ではラクリンのストーリー、新機能、そして最後にゲームの状態と今後について簡単に触れておきたいと思います。

現在のプレイヤー数については明確な回答が得られませんでしたが、運営は問題ないようで安心しました。Daybreak GamesのグローバルディレクターJoy Foxさんは「当社は(EQ2を)15年続けてきました。歩みを止めることはありません。」と述べました。

次期拡張パック「ブラッド・オブ・ラクリン(BoL)」について

12/17(火)発売予定の「ブラッド・オブ・ラクリン(BoL)」は、EverQuest IIの16番目の拡張パックです。「16番目」には3つの冒険パックや機能だけの拡張パック、無料のコンテンツやアップデートは含んでいません。EverQuest IIはこの市場でもっともコンテンツが豊富なMMORPGの1つといっても過言ではないでしょう。

拡張パックの名称からわかるように、プレイヤーはこの拡張パックでラクリンに向かうことになります。ラクリンとはノーラスの空に浮かんでいる月のことです。EverQuest IIがリリースされた当初、月は廃墟となり完全に破壊されてしまいました。今、少し状況は異なっています。元EverQuestのプレイヤーなら「3番目の拡張パックでラクリンに行ったよな」と覚えているかもしれませんが、EverQuest IIのプレイヤーが月を訪れるのは今回が初めてです。

開発チームはラクリンに戻ることで昔ながらのEverQuestプレイヤーが持っているノスタルジック(思い出補正)の意味を十分に理解しています。さまざまなゾーンを披露したプレゼンテーションの中で、EverQuest IIリードコンテンツデザイナーのNathan McCallさんは、青いゴーストが密集するインドアのゾーンを見せてくれました。

「ここはプレイヤーの町で、かなり大きなゾーンでした。」とMcCallさんは説明します。「プレイヤーはお互いにこのゾーンにやって来て、アイテムを売ったり、ゲットしたアイテムを見せたりしていました。非常に思い出に残っている場所であり、プレゼンテーションのシーンでは"なるほどね"と思わずうなづいてしまいました。」

ノーラスでは文字通りに月を意味する「ラクリン」と、それを支配する女神の名前も「ラクリン」になっていることは注目です。 今回の拡張パックのタイトルはどちらの「ラクリン」を指しているのでしょうか?

「複数の伏線に絡めるように、ネーミングにはいろんな意味を混ぜ合わせるのは好みですね。」とMcCallさんは言います。「実際には形而上学的なメタファーに過ぎず、プレイヤーが"ラクリンにいるぞ"という体験そのものを指しているかもしれません。」

「ブラッド・オブ・ラクリン(BoL)」のイベントが発生する直前まで、世界の大部分はカオスに陥っていました。Lady Najenaは攻撃的なヘビ型の種族であるShissarを倒そうとしましたが、すべてが裏目に出て敗北しています。現在、このポータルは稼働していて、特定の人だけがノーラスとラクリンを行き来できるようになっています ―― もちろん、みんなのキャラも含まれます。拡張パックの目的は、Shissarに終止符を打ち、女神ラクリンと協力して、月を取り戻すことです。

今回の拡張パックでは上記のストーリーに加えて、6つの新しいゾーンが含まれます(The Blinding、Sanctus Seru、Aurelian Coast、Fordel Midst、Wracklands、Ssraeshza Ruins and Vault)。ラクリンに向かうには、まずJarsoth WastesのChelsithから始まるクエストを完了しておく必要があります。

ラクリンを走り回ってみましたがかなり楽しいですね。15才以上推奨のゲームということで、Daybreak Gamesのグラフィックチームはシリアスな感じに仕上げています。グラフィック、環境デザイン、ライティングなどはまったく古さを感じさせません。視覚的には「中つ国(Middle-Earth)」のエルフとヒューマンの地域からインスピレーションを得ているそうです。

筆者はEverQuest IIをそれほど積極的にプレイしていないので、詳細なレベルで「ここはあそこだ」と語るつもりはありませんが、間違いなく本物のEverQuestを感じられると思います。これは重要ですね。

プレゼンテーションの最後で、McCallさんはストーリーについて若干のネタバレを語ってくれました。ネタバレを見たくない人はこの先をスキップしてください。

ネタバレ警報

「プレイヤーがラクリンの冒険を進めていくと、"生きているShissarが一匹もいない"ことが判明します。」とMcCallさんは言います。「では、Shissarはどこへ消えたのか? ストーリーのほぼ終盤で、さらに"Shissarがラクリンの別の場所へ移動している"事実が判明し、来年向かうことになるダークサイドなゾーンの予告になっています。」とMcCallさんは語ってくれました。

拡張パックではレベルキャップが110から120に上がり、お金でアイテムをゲットしてくれる「監視人」機能、新しいミッション、シグネチャークエスト、レイド、10レベル分のアーツとスペルのほか、アチーブメント、コレクションなとが入っています。

つづく

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