「EverQuest II」に携わることになった経緯を教えてください
2000年頃、イラストとアニメーションの学士号を取得しようとしていて、卒業が間近に迫っていたので、インターンシップを探していました。SOEはサンディエゴにあって、家からそれほど遠くないところにあることがわかりました。そこでEQのインターンシップに応募して、基本的なアニメーションと一般的なグラフィック制作を担当することになりました。当時、SOEは別のプロジェクトから人を異動させている最中で、フルタイムに移行できるような部署はありませんでした。振り返ってみると、自分はまだ絵描きとしての実力が足りなかったんだろうなと思います。そこで、サンフランシスコのアカデミー・オブ・アーツで修士課程に進み、EverQuest IIで再びインターンシップをすることができました。その間はモデル制作に集中し、今思えばどうやって仕事を得たのかわからないような武器も作りました。開発チームがチャンスを与えてくれたのです。そして15年後の今、EQとEQIIのキャラクター担当のアートディレクターを務めています。
EQIIで最初に手がけた作品は何ですか?
武器ですね、でも誰にも見せませんでした。スキルがまだ低かったので。チャンスを与えてくれたことを嬉しく思っています。
EQIIで手がけたものの中で、お気に入りのデザインや制作物は何ですか?
いつも勉強して自分のスキルを向上させようとしているから、お気に入りのものは大抵いつも最後に手がけたものです。最後に手がけたクールなものは、「Dhampir Abomination」という巨大な吸血鬼の男です。
ゲーム業界に飛び込んだきっかけは?
運が良かったんです。でも実は、ずっと絵描きになりたかったんです。子供の頃の夢は、ディズニーで働くことでした。だから、80年代にコミックを模写したり、そのとき考えていた興味のあるものを描いたりして、ずっと絵を描いてきました。子供の頃は机に向かって、自分の部屋で絵を描いている時間が長かったですね。それで、幸運にもSOEにはインターンシップがあったので、その門を叩くことができました。
ゲーム業界を目指す人へのアドバイスをお願いします
アーティスト(絵描き)であることは、生涯の旅です。プログラムやボタンの押し方を教えるのは簡単なことですが、実際にどんな媒体でも絵描きとして学ぶのは大変なことです。私は、サンディエゴの芸術科で何年も教えていましたが、その後、多くのことがオンライン化されたので、オクラホマ州立大学で3Dクラスを教えました。学生たちに共通しているのは、芸術は簡単で努力がいらないものだという期待です。しかし、ほとんどの学生(80%ぐらい)は、学習の過程で諦めてしまうのです。
EQIIで一番好きなNPCは誰ですか?
えーと、もちろんDhampir Vampireです。昨年の拡張パックで一番楽しかったモデルです。
これまで手掛けたデザインの中で、最も難しかったものは何ですか?
大量のパーツやヘア、ファーがあるものですね。ヘアやファーを作るには、簡単な方法なら何とかなりますが、本当にやるには、かなりの知識と努力が必要です。数年前、「Horizon Zero Dawn」でヘアを担当したJohn Lithvallが教えるヘアに関するマスタークラスを受講しました。それは確かに正しく見えるヘアを仕上げるための効果的な学習方法でしたが、苦痛を伴うこともありました。リフレッシュするために、Adam Skuttによるヘアチュートリアルもやりました。つまりアーティストになるための学習は決して終わらないということです。この夏には、スカルプティングのクラスを受講する予定です。
今知っていることで、始めたばかりの頃に知っておきたかったことは何ですか?
学校は良いスタートですが、私が本当に良いアーティストになったのは、すでにこの業界で活躍している巨匠から授業を受け始めたときです。娘にもその道を歩ませています。娘は短大を安く済ませ、今はキャラクターアーティストになるためにマスタークラスを受講していますが、そのスキルはすでに素晴らしいものになっています。4年制の専門学校に10万ドルかけるよりいいんじゃないでしょうか。
ゲーム業界に興味を持った最初のきっかけは何ですか?
子供の頃はずっとアーティストになりたかったんです。ディズニーのアニメを描くのが夢でしたから。でも、ゲームはずいぶん進歩したし、優れたゲームを作るにはアーティストが不可欠になりました。だから、私はゲームにフォーカスするようになったのですが、それが大正解でした。