Q:どのような経緯で「エバークエスト」「エバークエストII」に携わることになったのですか?
Kander:2001年にGMとしてスタートしました。トレーディングカードの店舗を経営していて、当時SOEの社員に「マジック・ザ・ギャザリング」のカードを売ったりしていました。ベータ版のEQをプレイし始めて、SOEに遊びに行ったりしているうちにGMの仕事をすることになりました。その後、デザイナーの研修制度があることを知り、そこから自分のキャリアが始まりました。

Q:EQ / EQIIの開発にはどのくらい携わっていますか?
Kander:EQで何回もアルバイトをやった後、2005年2月にEQ2でデザイナーのアシスタントを始めました。アシスタントは2年以上やりました。2007年の初めにEQ2の正社員(フルタイム)に採用されました。アシスタントの頃は、クエストをこなしたり、ソロクエストもかなりやり込みましたね。

Q:EQ / EQIIで最初に手がけたプロジェクトは何でしたか?
Kander:アシスタントとして大量のドロップクエストをこなし、AntonicaやZekではソロクエストをしていました。初めて本格的なクエストラインに参加したのは、「Zek, the Orcish Wastes」というゾーンでBirchbark Oakleafと一緒にやっていました。クエストに取り組むのはとても楽しくて、最終的にはエピッククエストやヘリテージクエストを担当することになりました。その中でも、ブリガンド、レンジャー、シャドウナイトのエピッククエストが一番好きなプロジェクトですね。かなりいい出来になりましたよ!

Q:これまでに手がけたEQ / EQIIのプロジェクトで一番気に入っているものは?
Kander:ヒロイックコンテンツを作るのが大好きですね。「Vasty Deep」や「Guk」のダンジョンがお気に入りになっています。エバークエストでGukを楽しんだことを覚えていたので、「これは名誉だな」と思ってやっていました。今でも、Gukのダンジョンを全部1つにまとめて巨大なダンジョンにしたり、EQ2でGukのコンテストバージョンを作りたい、という目標があります。

Q:どのようにしてゲーム業界に入ったのですか?
Kander:アシスタントから入ったので全くの偶然です。「この業界に入りたい」と思っていたわけではありません。偶然に出会ったと言ってもいいかもしれませんね。親友は早くからEQに誘ってくれましたが、当時の自分はPCさえ持っていませんでした。ゲーム機は持っていたし、トレーディングカードやボード系のゲームでは遊んでいたのですが。エバークエストをプレイするために、最初のコンピュータを組み立てました。ただずっとゲーマーではあったので、ゲーセンで働いていたこともあるんですよ。

Q:ゲーム業界に入りたいと思っている人にアドバイスをお願いします。
Kander:コンピュータ技術の学位を取得して、コーダーやグラフィック、サウンドエンジニアになるのがおすすめです。デザイナーになりたいのであれば、経験を積むだけでも大変なことです。最近では、ゲームデザインの学位を取得できる学校もたくさんあります。しかし、学校に通わずにゲームデザインの世界に入るのは、最近では難しいかもしれません。他の会社でアルバイトやアシスタントから始めて、自分と同じような経緯で採用される人も多いですね。

Q:EQ / EQIIで一番好きなアイテム・NPCは誰ですか?
Kander:好きなNPCは「Lanys T'Vyl」でしょうか。Innoruukから王座を奪うとかヤバくないですか。「アルター・オブ・マリス(AoM)」のパケ写にデザインから関わることができて、とても楽しかったです。アートディレクターのTim Heydelaarさんとの共同作業はとても楽しいものでした。Lanysは、巨大な剣と盾を持ったフルプレートで力強く表現出来たと思います。これまでのファンタジーにありがちな(女キャラの)服が薄い = ACタイプのアートから脱却して、素晴らしいものを作ることが目標でした。お気に入りのアイテムについては、たくさんあるので難しいですね。おそらくエバークエストIIのエピック武器でしょうか。エピッククエストがそれほど手間と時間のかかるものでなければ、2~3年ごとに新しいものをやりたいと思っていますよ。

Q:これまでに手がけたプロジェクトの中で、最もチャレンジングなもの/最もやりがいのあるものは何ですか?
Kander:レイドが一番やりがいがあったかな。レイドは拡張パック10か、拡張パック11を最後にやらなくなりました。Kael DrakkelのSoren, the Vindicatorのコンテストゾーンが最後で最大のチャレンジだったと思います。そういえば、Skyshrineのダンジョンも大変だったな。自分とPeter Changの2人で、(クエストを除いて)Skyshrineの全ダンジョンを制作しました。「エイジ・オブ・ディスカバリー(AoD)」の後からはレイドを離れて大量のコンテンツを提供することを決意しました。その理由は割愛しますが…、ゲームをプレイしたことのある人、覚えている人には私の言っていることが伝わっているはずです!笑

Q:ゲーム業界に入って「これさえ知っていれば…」と思ったことはありますか?
Kander:ありすぎて考えたくもないですね。たぶん、この業界の人たちと付き合うことだけでも、デザイナー、グラフィッカー、コーダー、それぞれの分野で全く異なる人たちと話をすることは、何年もかけて克服したことだと思いますが、最初の頃はそれが苦手でした。人付き合いが苦手なので何度も挫折したこともありました。自分はクリエイティブな仕事をしているのだから、自分の思いを正直に伝えなければならないのに、それが全く評価されないことも多々ありました。私は上司(中間管理職)にはなりたくありませんでした。カスタマーサービスでGMの上司をしていたこともありますが、正社員のデザイナーになったときには、「二度と中間管理職はやらねぇ!」と誓いました。目標はリーダー職ぐらいのデザイナーになって、一生ダンジョンを作り続けることですよ。

Q:EQ2の開発で気に入っている点は何ですか?
Kander:このゲームで最も情熱を注いでいるのは、世界とコンテンツを作ることです。ノーラスっぽい幻想的なゾーンになればいいなと思って作っています。例えば、今年の「Shadeweaver's Thicket」は、これまでのグラフィックとのコラボの中でも最高のものだったと思いますし、ゾーン全体の仕上がりも素晴らしいものになりました。Tim Heydelaarさんとの共同作業は本当に楽しいもので、毎日、毎週のようにグラフィックについて話し合っていました。コンセプトから実現まで、みんなの予想をはるかに上回る素晴らしいものになりました。自分たちが目指していたものを1つのゾーンに凝縮し、信じられないほどクールになったと思いますよ。

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